バルーンバ文化を探れ(コロナ禍の場合)
コロナ禍で、ワークショップ、特にシミュレーションゲーム*1が行ないにくくなっています。
『アクティブラーニングで学ぶコミュニケーション』に掲載されていた「バルーンバ文化を探れ」という活動を実施したところ、コロナ禍ならではの興味深い点がありましたので、そのことについて書きます。
バルーンバ文化の人4名、調査団4名に分かれました。調査団はバルーンバ文化の人と1対1でインタビューを行ない、バルーンバはどのような文化を持っているのか、探ります。
このゲームのポイントは、バルーンバ文化の人は外見で物事を判断し、行動するということです。バルーンバ文化の規則は2つ。(1)階層社会で、違う階層の人とは話すことができない。階層は〇〇によって決まる。(2)質問には「はい」か「いいえ」で答える。相手が笑顔で質問した時は「はい」、笑っていない顔の時は「いいえ」と答える(つまり、質問内容は関係ない)。
詳しくは本の解説を読んでいただきたいと思いますが、実は、インタビューで得た答えからバルーンバ文化を探れるわけではないのです*2。
ひとつめ、階層をどうやって分けようかと悩んで参加者の服装をよく見たところ、違いがすぐにわかるものがありました。マスクの色です。白いマスクの人と色マスクの人が半々くらいだったので、マスクに色が付いているかどうかにしました。白いマスクの人は、白いマスクの人としか話せません。色マスクの人は、色マスクの人としか話せません。
問題はふたつめです。相手が笑顔かどうか、マスクを付けたままでわかるものなのでしょうか。これは、もう、自分が笑顔だと感じたらそれでいい、ということにしました。
この点は、あとでバルーンバ文化の人が、質問時に笑顔だと感じた人とそうではなかった人は全員一致したと話してくれました。つまり、調査団Aさんの質問にはみんな「はい」と答えた。笑顔だったから。そして調査団Bさんには全員「いいえ」と答えたそうです。というわけで、マスクでも笑顔は伝わりました*3。
おそらく、参加者全員がオンライン状態なら、オンラインでもできる活動ではないかと思います*4。また、マスクを付けた状態でも可能な活動だということがわかって良かったです。